【今日の豆知識】上棟式のもうひとつの主役「棟札(むなふだ)」とは?

上棟式では、ノサ(のさ紙)と並んで大切なものがもうひとつあります。

それが「棟札(むなふだ)」です。

棟札は、建物の一番高い位置──**棟木(むなぎ)**に取り付けられる木の札のこと。

そこには、この家の“記録”と“祈り”が刻まれています。

棟札とは?その役割と由来

棟札の歴史は古く、平安時代からすでに存在していたといわれます。

もともとは、神社や寺院の建築で「この建物を誰が、いつ建てたか」を神様に報告するためのものでした。

その名残が、現代の住宅にも受け継がれています。

棟札には、次のような内容が記されます

  • 建物の名称(例:〇〇邸)
  • 建築年月日
  • 施主(家主)名
  • 棟梁や施工者名
  • 工務店・建築会社名

つまり棟札は、建物の誕生証明書のような存在なのです。

棟札に込められた祈り

棟札は単なる記録ではなく、**「この家が永く安全でありますように」**という祈願の証。

上棟式で神主さんがお祓いを行ったあと、

棟梁の手によって屋根裏の棟木にしっかりと取り付けられます。

普段は目にすることのない場所にある棟札ですが、

その奥には、家族の安全・繁栄への想いがしっかりと込められています。

棟札は“未来へのメッセージ”

棟札は、将来リフォームや建て替えをする際に再び姿を現すことがあります。

そこに書かれた日付や名前を見ると、

「この家を建てた人たちの想い」が時を超えて伝わってくる――

そんな不思議な温かさを感じます。

つまり棟札は、未来の誰かへのメッセージでもあるのです。